当日9:30より、2階総合受付付近にて整理券をお配りします。枚数に限りがありますのでご了承ください。
(学生参加の方のセミナー会場入場は出来ますが、整理券はお渡しできません)

積水化学メディカル株式会社 【HPV感染と子宮頚部病変】

第3会場 2階 瑞雲 12:00〜13:00


◆財団法人癌研究会 癌研究所 病理部 古田玲子 先生
HPV感染は子宮頸がんの最大のリスクファクターである。成人女性の10%ほどに持続感染があるが,大部分は単なる感染で終わり,腫瘍は発症しない。HPVには100種類余の型があるが,その中の十数種類が高リスク群で,中でも16,18型が"がん"と係わりが深い。
近年,若年層での子宮頸部がんは増えており,感染予防と的確な診断および治療の重要性が増している。有効なHPVワクチンが開発され,日本でも使用が承認されたがワクチン普及にはまだ時間がかかるであろう。それ故,成人女性の検診率を上げると共に,HPVの型別検出と正確な病理・細胞診によるリスク評価により,必要な措置をとると共に,不必要な治療や検査のくり返しを避ける事が重要である。
子宮頸部上皮内病変(cervical intraepithelial neoplasia:CIN)の病理組織学的な段階診断は,組織像が多様である為に,診断者間で差が生じることが少なくない。個々の病変の真の発がんリスクを正確に把握するために,我々は,病変の特徴を捉えつつ長期に追跡することと,HPV感染の特徴を型別に把握し,CINの客観的な病理組織学的リスク評価基準の確立を目指して研究を進めている。
本講演では,次の四つの項目について述べる。
1.ウイルス誘導変性異型(Viro-Degenerative Atypia: VDA)
2.高リスク型HPV感染の特異的な所見である傍中心体異所性染色体(Ectopic Chromosome Around Centrosome: ECAC)
3.VDAを伴った移行帯でみられる薄層性の異型未熟化生 (atypical immature metaplasia: AIM)
4. がんの組織型と化学療法の効果予測


▼積水化学メディカル株式会社

和光純薬  【ミュータスワコーi30の新測定技術と診療前検査としての有用性】

第4会場 2階 平安 12:00〜13:00

足川達也氏 ◆和光純薬工業株式会社 荒井 由美氏
 和光純薬工業鰍ナは、微量サンプル・高感度・迅速測定をコンセプトに、マイクロチップを使用した新規測定技術による『全自動蛍光免疫測定装置ミュータスワコー i30』及び専用試薬として、肝細胞癌の腫瘍マーカーであるAFP、AFP-L3%、PIVKAUを発売致しました。サンプリング、混合、B/F分離といった免疫測定の工程を、チップ内で行うため、装置はシンプルでコンパクトとなり9分という超迅速測定が可能となりました。
 肝硬変・慢性肝炎患者は数ヶ月ごとの超音波検査と肝細胞癌の腫瘍マーカーの測定により、肝癌の早期発見のため診療を受けています。今回のシステムでは、1台の装置でそれらの腫瘍マーカーを迅速に測定する事ができ、またAFP低濃度域でのAFP-L3%測定が可能となりました。今回のセミナーでは、肝細胞癌の腫瘍マーカーの有用性、本システム測定原理と診療上のメリットについてご紹介致します。
▼和光純薬工業株式会社

ベックマン・コールター株式会社

 【臨床検査値の地域差分析と共有基準値の設定(新製品DxHのデータも含む)】

第5会場 2階 福寿 12:00〜13:00
◆ベックマン・コールター株式会社 渡邊 正一氏
 臨床検査値の世界的な標準化は近年のIFCCを中心とした努力で大きく進歩した。しかし検査診断の目安となる基準範囲には大きな施設間差が存在する。
 一方で、臨床検査室の質と能力に関するISO 15189:2007要求事項の中で明確に唱われており、基準範囲の正しい設定・維持に対するニーズが一段と高まっている。また基準範囲の設定には、適切な健常者選別規準・採血条件・統計的手法が必要で、しかも対象者数が少ないと安定した値を得られない。
 よってこの問題を解決するため、IFCC(国際臨床化学連合)、APFCB(アジア太平洋臨床生化学連合)等の援助を得て、東・東南アジア地域の多施設共同で、90項目以上の臨床検査値の基準範囲を同時設定するプロジェクトを立ち上げた。

▼ベックマン・コールター株式会社

栄研化学株式会社  【胃がん検診の新戦略 ABC検診によるリスク分類】

第6会場 2階 桃源 12:00〜13:00

足川達也氏 ◆栄研化学株式会社 足川 達也氏
 胃がん検診のリスク分類として、胃の萎縮の度合いを検査するペプシノゲン(PG)法とヘリコバクターピロリ(HP)感染検査を組み合わせた免疫化学的検査法による『ABC検診』が注目されている。これは、胃がん検診受診者をハイリスク群、ローリスク群に分類(ABC分類)し、それぞれのリスクに合わせて検診間隔を設定し、効率的に胃がん検診を実施する考え方である。『ABC検診』とはPG(−)・HP(−)をA群、PG(−)・HP(+)をB群、PG(+)をC群と分類するものである。
 近年、HP感染が胃がんと深く関係していることが多くの研究により報告され、2009年1月には除菌ガイドラインが改訂された。その結果、除菌専門外来の開設や認定医制度が始まるなど、臨床現場では大きな変化がおきている。
 若年者ではHP感染率は著明に低下しており、近い将来おいてはHP感染の有無を基盤とし、除菌治療による1.5次予防も含んだ胃がん検診システムの構築も期待されている。
 こうした背景の中で、本セミナーでは、胃がん検診の新しい考え方としての『ABC検診』の有用性について提示し、その可能性について述べたい。
▼栄研化学株式会社

inserted by FC2 system